2010新溝ルール 簡単解説 2010/3/28
その理解を妨げている原因は、製造誤差を許すために、測定値の50%以上は・・・ と、 あいまいな部分をつくっているからです。
新溝ルールはその規制に適合しているかいないかを、素人が実際に計測して判断 することは到底不可能です。 溝の幅を決定する点の出し方をはじめ、溝の面積など、 専用で精密な測定器具がなければならないからです。
つまりゴルファーは、メーカーが、「これは適合しています」 「これは適合して いません」という言葉を頼りにするほかならないのです。
ということで新溝ルールの細かな解説など、実は全く意味がないのですが、どんなことなのかを ざっくり説明します。 あくまでざっくりです。
◆クラブフェースの溝を規制する要素
項目 | 説明 |
溝の幅 | 0.889ミリ未満と案外狭いです。 |
溝の深さ | 0.559ミリ未満と案外浅めです。 |
溝の間隔 | 隣接する溝の3倍以上の間隔が必要です。 |
一貫性 | 溝はみな同じかたちにしてねってことです。 |
上記のほかにも規制する要素はありまして、ひとつが今回掘り下げてみる、
面積(A)/(幅(W)+間隔(S))
です。 この数値は一体何をあらわしているのかと
いいますと、クラブフェースは、[溝]-[溝のない部分]-[溝]-[溝のない部分]・・・という
ふうになっています。 その1組の[溝]-[溝のない部分]の中における溝の断面積の割合を
あらわしています。
つまりどんだけ草やら土やらの異物を納める空間を持っているか、ということと理解して おおむね間違いありません。 あくまでもざっくりです。
この数値[A/(W+S)]に基準の数値が決められていて、それより小さくなければいけません。
下は[A/(W+S)]と「面積・幅・間隔」の関係を表したグラフです。
グラフの上のオレンジのラインが合格ラインで、[A/(W+S)]のラインがそれより下なら 適合しています。 グラフの下のほうは、面積・幅・間隔で、横軸の最大値が、それぞれの 要素の基準の限界値です。
つまり、それぞれの限界値を持った溝をつくると不適合となるわけです。 各メーカーは、 面積・幅・間隔を、もちろんこれ以外に溝の形状・深さなどを試行錯誤して、よりスピンの 効くフェースを製造しているのでしょう。
次のグラフは、幅と間隔を最大値で固定したものです。 [A/(W+S)]のラインは左にずれる
ので、溝の面積を小さくせざるをえません。 単純に考えると、溝の深さを浅くすることで
しょう。
次の図のほうが、直感的にわかりやすいとおもいます。
1は溝の幅と深さを限界値にしたもので、面積の最大値となります。 この面積だと、溝の 間隔は上図程度必要となります。
2は間隔を最小値にした場合ですが、溝の幅を最大値にしています。 幅を最大にした分、 深さが犠牲になっていることがわかると思います。
3は同じく間隔を最小値にしていますが、2とは逆に溝の深さを最大値にしています。 見た 感覚だと2よりスピンがかかりそうな・・・
今回はここまで。 次回は縁の鋭さにせまります。