あの球聖ボビージョーンズが使用していたパター、カラミティジェーンにあこがれて同形状のこのパターを
手に入れました。
今回は、ただリフィニッシュをするのではなく、シャフトの交換、オリジナリティーの高いグリップの作製、果てはソケット
の作製までやってみました。 事前にイメージしたものにかぎりなく近い出来に、非常に満足しております。
さて、このSURE-FLITEは、マッスルバックアイアンのようなヘッド形状でブレードの厚さは非常に薄く、ボールを
芯で捉えないといかにもショートしそうです。
割と大きめのグースがついています。 初めて手にしたときは、このグースに少し違和感を感じましたが、 リフィニッシュを終えた今は、むしろ自然な気がします。 単に見慣れたのかもしれませんが、薄いブレードに よる頼りなさを、視覚的にも機能的にも補ってくれるでしょう。
アドレスしたときに、トップラインで方向を合わせてはいけません。 トップラインはトゥ側が高くなって いるので、トップラインで方向を合わせると確実にひっかけます。 そんなの当たり前と思われるでしょうが、 ロフトが2度しかないので、リーディングエッジよりトップラインが目立ってしまい、リーディングエッジで方向を 合わせづらいのです。 リーディングエッジに、アイアンのようなスコアラインをいれ、サイトラインとする のもありかもしれませんね。
ネックからソールへつながる曲線美が L字パターの心臓だと思います。 このSure-Fliteも美しいラインを 描いています。 このソールの幅の狭さを見てください。 ターフすらとれそうです(笑)
ヘッドの重量は288グラムです。 かなり軽いですね。 ヘッドの重量でボールを押していくという期待は してはいけません。 確実なインパクトで、ボールに命を吹き込んであげましょう。
ヘッドをリフィニッシュする際にはシャフトを抜きます。 シャフトを抜くのにヘッドを加熱するのですが、 その熱でソケットがだめになってしまいます。 Sure-Fliteのソケットは高さが4センチもありました。 探してもそんなソケットはありません。 仕方なく自分で作ることにしました。
ソケットは通常セルロイドですが、自作する方法を究明できなかったので、ポリマークレイでつくりました。 ポリマークレイとは柔らかいあいだに形をつくり、オーブンで焼成することにより固くなる樹脂粘土です。 色の違う粘土を混ぜたりして、模様をつくることができます。
このパターでは、赤の濃淡をマーブルにしてみました。 テーマは「カップインへの熱い情熱」です。 いい感じにできましたが、イメージした通りの模様はなかなか得られず、これは4つ目です。 耐久性が どれほどのものかは、これからの話ですね。
シャフトはステップレスが好きなので、トゥルーテンパーのUST-38をチョイスしました。 チップ側を3インチ弱 カットしたのと、全体の長さを32インチにしたことで、かなりカッチリとした打感になっています。 これは 好みが分かれるところでしょうが、L字パター独特のトゥまわし(トゥを返すイメージでインパクトする) などの操作性はとても良いと思います。
重量は459グラムと、かなり計量です。 ヘッド重量は288グラムしかありませんので、計測していませんが スイングバランスはかなり軽いはずです。 短さと相まって、フェースはまさに「ダイレクトに手」といった 感じです。
そのダイレクトに手をつなげる大切なグリップは、ワンオフのロンググリップです。 長さは30センチ以上あります。
比較のために下に並べたのが、スリップオンタイプとして当よがよから販売しているディアスキングリップです。
オールドパターなのでグリップを長くしたかったのですが、形状はピストル型にしました。 L字なのでミスヒット
の際もフェースがぶれないようにしたかったからです。
革はブルーグリーンのオーストレッグです。 エナメルっぽい仕上げで、つやつやしているので、グリップには
合わないのでは?と、しまっておいたものでしたが、ひさしぶりに引っ張り出してみると、案外この艶も
良さそうなので採用しました。 予想以上に妖しげ感たっぷりで気に入っています。
下地は、エンド側はスリップオンタイプの半分を使用して、ローエンド側はコルクを巻いて、作業の手間を 半分ぐらいなくしました。 コードは白を使い、自慢のステッチが目立つようにしています。 汚れの心配が ありますが、その辺も含めて実験になると思います。
このオーストレッグは、伸縮性が皆無と言っていいほどだったので、ステッチを革に埋め込めませんでした。
コードが直接指に触れるので、ぎゅっと握る派のぼくは、指がちょっと痛くなるかもしれません。
独特の雰囲気を持つパターにモディファイできたSpalding Sure-Flite 芝の上でボールをころがすのが楽しみです。