リシャフト作業1 2008/6/8
リシャフトの作業説明は、今回「アキュフレックスICON HL」を購入した、ジオテックゴルフコンポーネント
のクラブ組立て知識のページに詳しく出ていますが、素人なりにまとめてみるのもよいのでは? と、このページをつくりました。
参考になれば幸いです。
1.ヘッド抜き
作業前のプロコンボツアーの3番です。 キャビティながら、刀の切れ味を
思わせるデザインで、かなりお気に入りです。
が・・・ ここのところ出番なし。 たまに練習に持ち出したりもしますが、
たいていシャンク(泣) カーボンへリシャフトすることによって、このことに変化があるのか? このへんも非常に
興味深いところです。
シャフトが傷つかないようにシャフトクランプを使って、万力でシャフトを固定します。 そしてヒートガンでホーゼル
部分をあたためて、接合部の接着剤を熱で破壊します。 元のシャフトがスチールなのでヘッド抜き工具は使わずに、
ヘッドが動くようになったら、ぐりぐり手の力だけではずしてしまいます。
ヘッドが抜けたらホーゼルの中を清掃します。 ドリルに小さいワイヤーブラシのような工具をつけて、接着剤のカスを
落とします。 あらかた落とせたら、#240の紙やすりで仕上げて、アセトンで脱脂します。
アセトンはFRPの製作作業用具の洗浄用の溶剤です。 ホームセンターなどで購入できます。
抜けたヘッドの重さを測ってみました。 244グラム。 平均より重いのかな?
あまり関係ありませんが、この作業は極寒の冬に行ったので、毛糸の帽子をかぶっております。 軍手をしているのは、
極寒の冬だからではなく、あたためたヘッドが超熱いからです。 軍手は必ずして作業しましょう。
2.シャフトのチップ側の処理
ヘッドが抜けたら、シャフトのチップ側を接着できるように処理します。 新品のシャフトは、ヘッドに挿入するチップ側も
塗装がしてあり、このままでは強固な接着ができず非常に危険です。
よって塗装を落とさなければいけません。 ヘッドのホーゼル部分の深さを測って、その長さプラス5ミリぐらいにテープで
めじるしをしておきます。
やすりで塗装をはぎます。 これはかなりじみ〜な作業な上に指がつりそうになります。 この作業の注意点はふたつあります。
ひとつはカーボン部分を削らないようにすること。 もうひとつは、削った部分と削ってない部分に段差をつくらずに、
なめらかにすることです。
塗装をはぐ作業の途中経過写真です。 赤い塗装がはげて、下地のパール塗装がでてきたところです。 さらに、
はぎはぎ作業は続きます。
塗装のはぎ作業が終わりました。 テープはホーゼルに差し込まれる部分プラス5ミリの位置に巻いてありました。
そのテープから5ミリのあいだで、なめらかに塗装をはいである様子がわかると思います。
段差をつくらずに、なめらかにするのは、応力を分散する理由です。 段差があると、ショットによる衝撃が
段差に集中して、シャフトの折損につながるからです。
ヘッドにさしてみると、このような感じになります。 じつはこの作業の前に、ホーゼルの穴の加工をしてあります。
プロコンボツアーのホーゼルはテーパーになっていて、このままではストレートチップのシャフトはささりません。
ボール盤を使って穴を拡げます。
次はソケット挿入です。 ホーゼルにさす長さプラスソケットの高さマイナス1ミリに、テープでしるしをつけ
ます。
マイナス1ミリする理由は、ソケットをシャフトに装着するさい、万が一入れすぎてソケットとホーゼルの間に
隙間ができてしまう・・・ なんてことを未然に防ぐため。 と、ぼくは思っています。
ソケットをシャフトに装着するさい、はじめに軽くシャフトにソケットをさしてみます。 もしソケットが
きつい(手で軽く入れて、シャフトがソケット全体に入らないぐらい)時は、ヒートガンで軽く温めます。
あまり温めすぎると変形してしまうので、本当に軽くです。
ソケットをシャフトに装着します。 専用のソケット挿入工具が販売されていますので、それを使用するのが
まちがいないでしょう。 ソケットの装着位置を調整することができます。
ぼくは古いカーボンシャフトを切ったものを利用しています。 打ち込みすぎないよう、気をつけて作業を
行います。
ソケットが装着されました。 しるしのテープが軽くつぶされているのがおわかりでしょうか? これで0.5ミリ
ぐらい想定位置よりソケットをさしすぎていますが、1ミリの余裕があるので問題ありません。
今日はここまでです。 次回はヘッドとシャフトの接着です。